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シリカ(ケイ素)

美と健康のため、体に必要な栄養素を誘導する「美の司令塔」

シリカ(ケイ素)は、近年、健康や美容に効果をもたらす成分として注目を集めている成分です。化粧品に配合されているほか、ミネラルウォーターの形でも販売されています。では、シリカ(ケイ素)がもたらす効果を見ていきましょう。

シリカ(ケイ素)とは

体のあらゆる細胞に含まれている必須ミネラル

シリカ(ケイ素)は私たちの体を作るために必要な必須ミネラルであり、健康な状態を維持するためには欠かせない成分です。皮膚や爪、髪、骨などあらゆる細胞に存在しており、それぞれの組織を健康な状態に保つはたらきがあります。特に皮膚に含まれる量が多いため、皮膚を若々しい状態に導く美容効果が期待されているのです。

シリカ(ケイ素)のはたらき

  • コラーゲンの結びつきを助ける

    皮膚の奥にある真皮では、網目状にコラーゲンが張り巡らされ、その間にエラスチンが結びつくことで若々しいハリを生んでいます。そして先に述べたとおり、シリカ(ケイ素)が特に多く含まれているのは皮膚です。シリカ(ケイ素)は、真皮内のコラーゲンとエラスチンの結びつきを強くするはたらきがあるため、肌のハリには欠かせない成分と言われています。

  • 骨粗しょう症を予防する

    骨粗しょう症は、骨密度が落ちて骨がもろくなる疾患です。この骨粗しょう症の予防にも、シリカ(ケイ素)が役に立ってくれます。シリカ(ケイ素)が骨にもたらす効果は、いち早く認識されていました。骨を作るときは、カルシウムに加えてコラーゲンも重要です。シリカ(ケイ素)にはこれら2つの結びつきを助けて、骨密度を高めるはたらきがあります。

  • 抗酸化力で病気や老化を防ぐ

    私たちの体において、病気や老化をもたらす原因のひとつが酸化です。酸化とは、活性酸素が体内を攻撃することで、組織が弱ってしまう現象を指します。現象としては金属のさびや果物の変色などと同様であり、酸化した細胞や遺伝子が病気や老化のもととなるのです。しかしシリカ(ケイ素)は高い抗酸化力を持ち、活性酸素に対抗することができます。

シリカ(ケイ素)による骨粗しょう症の改善

シリカ(ケイ素)を取り入れることで美容・健康に良いとされていますが、続いては「シリカが持つ骨粗しょう症の改善」についてまとめました。さまざまな研究結果から導き出されているシリカの持つ力を実験内容と共に紹介していきます。

骨を強くするのはカルシウム?

骨を強くする成分と言えば牛乳に含まれるカルシウムという方は多いはず。しかし、シリカ(ケイ素)がカルシウム以上に骨を強くする可能性があることが分かりました。

実験は1940年代から長期的に行われてきたフラミンガム研究に始まり、現在でもシリカが骨粗しょう症にどう影響をもたらすのか究明されつつあります。

まずはそんなケイ素と骨密度の関係を紐解いた「フラミンガム研究」について紹介していきましょう。

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フラミンガム研究とは

地域社会や集団を対象にし、病気の発生状況・頻度などを調査する疫学研究において、1940年代から進められている研究の1つ。アメリカ東部・マサチューセッツ州にあるフラミンガム町に住む人たちを対象に、食生活や血圧などをはじめ長期間にわたり健康状態の変化と推移を調査したものです。

長期に渡って人の生活習慣と病気の関係を紐づけるこの研究は、過去にも血圧や血液中の脂質が高い人、肥満やたばこを吸う人は心臓病で死ぬ確率が高いという研究結果を発表しました。このことで心臓病の診療技術を大きく進歩させた実績があります。

それでは具体的にどのような研究が行われ、どのような結果が分かったのでしょうか。

食生活から分かったシリカ(ケイ素)の影響

フラミンガム町に住む約2,800人を対象に、「フラミンガム研究」が行われました。同時に腰椎(背骨)や大腿けい部の骨密度(BMD)を計り、日常の食事からケイ素の摂取量と骨密度の関係を調査したものです。

すると、ケイ素を1日40mg以上摂取しているグループは、1日14mg未満のグループよりも、10%近く骨密度が高いことが分かりました。また、ケイ素摂取量によって骨密度が高くなる割合は下記のように、性別や年齢によっても統計の差も確認できたのです。

  • 女性よりも男性の方が、ケイ素の骨密度を高める効果を受けやすい
  • 女性の中でも若い女性の方が、ケイ素の骨密度を高める効果を受けやすい

同時に、カルシウムを最も摂取しているグループと、最も少ないグループを比較すると、骨密度の差はおよそ5%という結果に。

この研究によって、「食事からのケイ素摂取量の差が骨密度に及ぼす影響は、カルシウムよりも大きい」という結果が導き出されました。

食品の種類や加工法によって吸収率が変わる

ケイ素の骨への働きを調べる一方で、食品に含まれるケイ素の質にも違いがあることが分かりました。

バナナはケイ素が豊富に含まれている食品の1つですが、食べても5%程度しか体内に取り込まれません。しかし穀物の皮に多く含まれているケイ素は、シリアルやビールに加工しても高い割合で吸収されることが分かったのです。

そのため、ケイ素を多く含んでいる食品をひたすらに食べるよりも、吸収率を意識した食品や飲料水、サプリメントを活用するほうが効率的な場合もあります。

可溶性シリカ(ケイ素)摂取による骨密度の変化

現在では骨を形成する上でケイ素は必須成分だと考えられています。そこで、可溶性ケイ素を多く含むサンゴを含ませた餌を食べて育ったマウスの骨密度の推移を辿った実験を紹介します。

通常、実験用マウスは生後4ヶ月 のときに骨密度が最大になり、それ以降は加齢に伴って骨密度が低下し、骨に含まれるコラーゲンは減少していきます。

しかし、可溶性ケイ素を含む餌を食べたマウスは、生後7ヶ月を過ぎても骨密度・骨に含まれるコラーゲンが上昇しており、骨を作り上げる代謝が活性化されている結果を得られました。

単に骨密度が高くなったのではなく、骨自体の強度・たわみ・強靭性の3つの指標でも増強されていることが分かり、骨粗しょう症の解消に可溶性シリカが働くと考えられています。

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ケイ素摂取によるマウスの骨の解析

ここまではケイ素が骨密度を高める実験研究を紹介してきましたが、ケイ素以外の栄養素の骨密度増強効果を調査した研究を紹介します。

次の3種類の餌を与えたマウスの骨の強さを調べました。

  • A,ケイ素を摂取
  • B,希少糖を含んだシロップを摂取
  • C,ケイ素と希少糖を含んだシロップを摂取

Aのケイ素を摂取したマウスは、Bの希少糖を含んだシロップを摂取したマウスと比べて、骨密度が上昇した数値が確認できました。やはり、ケイ素が働いて骨密度が上昇したと考えられます。

しかし、Cのケイ素と希少糖を含んだシロップを摂取したマウスは、Aのケイ素のみのマウスと比べると、さらに骨が強固になっていることが分かりました。このことにより基本的な栄養素も摂取することでケイ素の効果も高まるということが導かれたのです。

このことから骨粗しょう症の改善は、日常生活からしっかりと栄養を取り、ケイ素を摂取することで相乗効果をもたらすと考えられます。骨粗しょう症に悩まれている方はケイ素の摂取と、食生活を見直してみることから始めてみましょう。

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シリカ(ケイ素)摂取によるマウスの骨密度の研究

ケイ素の摂取量は骨密度と密接な関係にあると示されていますが、実際に骨をどのように強くしているのかは充分に解明されていません。次の実験では、ケイ素が働きかける骨の部位が限定されているということを示唆する研究内容を紹介します。

まずは、ケイ素摂取下で飼育されたマウスの骨の強さを調べる実験が行われました。前足の橈骨(とうこつ)と呼ばれる部位を使用して骨の強度を測ったところ、通常のマウスよりも強い強度が計測されます。

ここまでを見ると、ケイ素を摂取したことで骨が強くなったことが伺えますが、CTスキャンで橈骨と隣り合う尺骨(しゃっこつ)の骨密度を調べると、ケイ素を摂取したマウスと通常のマウスで大きな差は観測されなかったのです。このとき骨の外側部分を指す皮質骨、骨の内側部位を指す海綿骨の両方を計測しても差は観測されませんでした。

この実験からケイ素には橈骨を強固にする働きがあるものの、尺骨には効果を与えないということが考えられます。

現在もCTスキャンを用いた骨の構造変化の解析は続けられており、今後もケイ素の骨密度への働きが解明されていくでしょう。

シリカ(ケイ素)が不足するとどうなる!?

体内で生成できないシリカは老化と密接な関係

シリカ(ケイ素)は必須ミネラルのひとつですが、体内で生成することができません。そのため、体外から摂取しなければシリカ(ケイ素)不足に陥ってしまいます。体内のシリカ(ケイ素)が不足すると、真皮内のコラーゲンの生成、骨や軟骨の生成にも悪影響を及ぼし、肌や骨、関節の老化につながるでしょう。

シリカ(ケイ素)を摂取しすぎるとどうなる!?

体内に留めておけず体外へと排出される

シリカ(ケイ素)を摂取した際、余った分は3時間~9時間くらいで体外に排出されます(体内動態)。そのため、シリカ(ケイ素)自体は、摂りすぎても特に問題ありません。ただし食品で摂る場合、シリカ(ケイ素)以外にも栄養素は含まれています。その成分を過剰摂取したときの安全性は保障できないため、食品から大量に摂るのは避けましょう。

成人の摂取量目安

成人男性 10~20mg 成人女性 10~20mg

シリカ(ケイ素)を多く含む食品

  • カラス麦
  • きび
  • 大麦
  • 小麦
  • 青のり
  • ひじき
  • わかめ(茎)
  • 昆布
  • あさり
  • じゃがいも
  • 赤かぶ
  • アスパラガス

シリカ(ケイ素)を効率よくとるには

精製前の穀物やシリカ水などで効率的にシリカ(ケイ素)を摂取

私たちの体を健康でキレイに導いてくれるシリカ(ケイ素)は、積極的に摂取することが求められます。では、より効率的にシリカ(ケイ素)を摂取するにはどのようにすれば良いのでしょうか。その有効な方法についてご説明します。

  • 白米より精米していない玄米や雑穀米

    シリカ(ケイ素)は穀物に多く含まれています。特に上記にあげたカラス麦やきびなどには豊富であるため、雑穀米として食べるのがおすすめです。また、穀物は精製するとシリカ(ケイ素)が減少するため、白米よりは玄米のほうが効率よく摂取できるでしょう。

  • 食事で不足する分はシリカ水がおすすめ

    前述した「シリカ(ケイ素)を多く含む食品」をご覧になれば、シリカ(ケイ素)を食品から摂取することも可能ということが分かります。しかし、たとえばわかめの場合、1日の必要量を摂取するには200gを食べることになります。食品から摂取するのが難しいときは、シリカ水を利用するのがおすすめです。適度な量を毎日飲むことを心がけてください。

ミネラルウォーターの分類について